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あずましくない

久々の北海道弁講座(いつから講座になったんだ?)。第4弾は「あずましくない」。

東北地方でも「あずましい」という言葉は使われているそうですが、北海道弁では、否定で使うことが多いようです。少なくとも、私は肯定形で「あずましい」と言ったことは、たぶんありません。

「あずましくない。」の意味は、「落ち着かない」とか「居心地が悪い」といったところなのですが、共通語に翻訳しがたい北海道弁の一つだと思っています。どんなときに「あずましくない」のかというと、

・よその家で遠慮して、部屋の隅っこに座っている。(「そんなとこだとあずましくないっしょ。こっち来な。」と言われる。)
・スーパー銭湯に行ったら、休日で人が多くて、ゆっくりとお湯につかる雰囲気ではなかった。(帰りに「なんか、人多すぎて、あずましくなかったね。」と言う。)

空間的な制約による不快感を表すことが多いのですが、時間的な制約による不快感を表すこともあります。

・新千歳空港で、乗る飛行機があと40分で出発するというときに、レストラン街の店で食事する。(「どっか入るんじゃなくてさ、弁当買って、飛行機の中で食うべ。」「そだな。急いで食べるのも、あずましくないもな。」)
・寝台特急「北斗星」には有料のシャワーがあるが、時間制限がある。(「時間決まってると思ったら、あずましくなかったわー。」)
・居酒屋に入っても、閉店時間が迫っているので、落ち着いて飲めない。(「あずましくないから、別の店行くべ。」)

あと、これは最近、父から実際に得た用例。

・歯の治療中で、食べるときに噛むたびに奥歯が痛い。(「なんだか、物食べてもあずましくないんだわ。」)

検索でひっかかったサイトを見たのですが、「しっくりこない」という説明を出しているものがいくつかありました。たしかに、空間的にも時間的にもしっくりこないときに「あずましくない」を使います。



高校時代に、英語の comfortable が出てきたときに、「これは要するに『あずましい』ということだな?」と思ったのを覚えています。したがって、uncomfortable は「あずましくない」。模試の時に、思わずそう訳しそうになったことがあります。




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たいぎ

北海道弁第3弾は「たいぎ」(「た」にアクセント核)。「たいぎだ」のように形容動詞として使います。

意味は「面倒くさい」とか「億劫だ」といったところでしょうか。スピーチレベルを無視すれば、「かったるい」という関東方言に近いニュアンスもあります。こんな風に使います。

・今から街に行くのもたいぎだから、明日にするわ。
・今日は一日忙しくて走りまわってたから、晩ご飯作るのたいぎだわ。
(注:文末の「わ」は上昇イントネーションではありません。)

親の世代は頻繁に使っていましたが、同世代でも使っていたかどうか、よく覚えていません。25年も北海道を離れていると、方言の使用状況すら忘れてしまいます。なんとなく悲しい。

                    ☆

この「たいぎ」は「大儀」なのだろうとは思っていましたが、「面倒くさい」という意味で使う「たいぎ」は北海道方言独自の用法だと、ずっと疑っていませんでした。実際、北海道弁の一つとしてしばしば紹介されています。が、この用法が国語辞典にも出ているではありませんか。上京してから、使われているのを聞いた記憶がないのですが・・・。辞書には出ているが日常語ではない、ということなんでしょうか。それとも、私が北海道弁だと思いこんでいたので、耳に入っても意識することなくスルーしていたのでしょうか。

                    ☆

広島弁には、同じような意味で「たいぎー」(「ぎ」にアクセント核)という言葉があるのだそうで。Perfumeが使うと言っていたくらいですから、若い世代にも広く使われているのでしょう。広島弁の「たいぎー」は形容詞のようで、「たいぎかった」のように言うそうです。北海道弁の方は形容動詞なので「たいぎだった」となります。果たして、広島から北海道に入って来たんでしょうか。それとも、別々に発達したんでしょうか。・・・こればかりは、ちゃんと調べないと分かりませんね。(と言いつつ、調べないのが私。)




なんもさ。

「なまら」に続き、北海道弁の第2弾です。

「なんもさ。」(「な」にアクセント)は、相手からお礼やお詫びを言われたときなどに、「どういたしまして」とか「気にしなくていいよ」といった意味で言う言葉です。「何もそんなこと(=礼や詫びなど)言わなくてもいいよ」もしくは「何もたいしたことではないですよ」のどちらかが、元の意味なんだろうと思います。私のネイティブスピーカーとしての直感では後者なのですが、本当のところはわかりません。

この言葉にはバリエーションがあって、「なんもなんも。」(ちょっと強調してる感じ)とか「なんもだー。」(最後は軽く上昇イントネーション)とかあります。

・「こないだは来てくれてありがとな。」「なんもさ。

・「わざわざお見舞いなんて持ってきてくれて、悪かったね。」「なんもなんも。たいしたもんじゃないから。」

・(来客から手土産をもらって)「いや、そんな、気ー使わなくていいのにい。」「なんもだって。遠慮するんでない。」

・「こないだは行けなくて悪かったね。」「なんもだー。



上京したとき、この「なんもさ。」「なんもだー。」に当たる言葉がわからなくて、ちょっと困惑したことがあります。「どういたしまして」よりもインフォーマルで、友人同士で軽く言う言葉が見つからず、「なんもさ。」と言いたい誘惑に駆られました。いまでも、しっくり来る表現には出会っていないような気がします。実際のところ、どうなんでしょうか?

今は、私は、インフォーマルなら「いえ」「いえいえ」、フォーマルなら「どういたしまして」を使っているような気がします。



英語で Thank you. と言われたら、You're welcome. と返す、と中学校で習いましたが、Not at all. という言い方もあります。at all は否定文で「まったく、全然」という意味ですから、直訳すると「まったくない、何もない」となります。これを初めて知ったとき、「なんもさ。」と発想が似ている!と感動したものです。

そんなわけで、私が Thank you. と言われて、Not at all. と返す時には、「なんもさ。」と言っている気分になるのです。




なまら

 「東京と札幌と、そんなに言葉変わらんべー?」 

大学進学と同時に上京し、夏休みで帰省したときに、札幌の友人から言われました。

 「べー?」がすでに、東京では言わないんだが・・・

と思いつつ、相手のペースに呑まれて「まあ、『なまら』とかは使わないけど。」なんて言ってごまかしたものです。

そう。道産子の中には、自分たちがしゃべっている言葉は標準語と同じだと、本気で思っていたりする人が少なくないのです。まあ、「しゃっこい」とか「しばれる」が方言だということくらいは自覚していますが。

中学生の頃だったと思いますが、妹が、芸能雑誌に出ていた北海道出身の芸能人(誰だったか忘れました)のインタビュー記事に、「なまら(とても)・・・」と書いてあるのを見て、「ねえ、なまら、って北海道でしか使わないのかな。(とても)、って書いてある。」と見せてきたことがありました。私も、その時はじめて、「なまら」がどうやら北海道弁らしいということを知ったのでした。



「なまら」というのは、ごく当たり前に使われる強調の副詞です。「なまらうめえ」「なまら冷てえ」「なんまらあっつい(=超むかつく)」のように、かなりくだけた表現と結びつきますから、「なまら」自体もかなりインフォーマルな語と言っていいでしょう。「すごく」を強めると「すんごく」「すっごく」になるのと同様、「なまら」を強めると「なんまら」となります。記憶があいまいですが、主に男子が使っていたような気がします。

私の世代では当たり前の「なまら」ですが、私の親の世代は全く使いません。いわゆる新方言ということになるのだと思います。どの世代から使い始めたのか知りませんが、私から見て、そんなに上の世代ではないと思います。



大学時代、私の5コ下の後輩(札幌出身)から、北大の道外出身学生の間で、

  「なまらザンギだべや」

と言うのが流行っていると聞いて、めまいを覚えました。ザンギ、というのは鶏の唐揚げのことです。つまり、「すごく唐揚げじゃん!」というのと同じナンセンスさがあるのです。要は、道外出身者が衝撃を受けた北海道弁をつなげて、ふざけてみたということなのだと思いますが。

今、まさかないだろうと思いつつ、「なまらザンギ」でぐぐったら、2chの

  「【なまら】北大受験生(゚Д゚)PART107【ザンギだべ】」

というスレッドがヒット。ちょっと感動。



どういう経緯でかはよくわからないのですが、いつのまにか、この「なまら」が東京でも、北海道弁として知られるようになりました。道産子でもないのに、ふざけて(?)使う人もいます。全体が北海道弁じゃないのに、そこだけ「なまら」を使われてもなあ・・・と、少しばかり違和感を覚えたりもします。

で、なんと、今をときめくPerfumeの、のっちまでもが、ブログで「なまら」を使っていました。彼女が北海道弁を使ってくれたのは、ちょっと嬉しかったりします。(すいません、前段落と見事に矛盾してますね。)




上野まな - Feeling
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プロフィール

こばあつ

Author:こばあつ
札幌市出身、埼玉県南部在住。美術大学で英語を教えています。
◆専門◆音声学(主に英語の音声教育、発音表記など)。広くことばやことばの音に関する楽しい話が好きです。
◆趣味◆
【旅行】鉄道旅行と食べ歩き。
【うたを聞くこと】<好きな歌手>上野まな、Perfume、辛島美登里、一青窈、いきものがかり、福原美穂、RYTHEM、太田裕美、溝渕文。<気になる歌手>花菜、山崎葵。ちなみに合唱経験者です。初期の木下牧子作品は思い出深く好きです。
【その他】<好きな女優>上野樹里、宮崎あおい、臼田あさ美、市川実日子、笹峯愛、深津絵里、石原さとみ、松本まりか、ほか

★アメブロで「こばあつの雑記帳(別館)」やってます。
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